県内事業者のみなさまを対象に開催する3回シリーズの異業種DX勉強会。第3回は、製造部門向けで「製造を変えるDXとは」と題し、デジタルの進化の速さに的確にキャッチアップをし、自社で使えるデジタル技術とは何かを知り、自分たちの製造を変えるDXについて、意見を交わし合う回としました。
講師には、株式会社へプタゴン代表取締役の立花拓也さんをお招きし、東北での事例を豊富に紹介いただきながら、 DXの手段としてのクラウド活用を学びました。
IoT・AIとクラウドでできること
青森県三沢市を拠点に事業を展開するへプタゴンは、東北地方の中小企業向や自治体などに対し、クラウドを活用したサービス開発支援やコンサルティングサービスを提供しています。画像認識などのように外部にあるものを読み取るIoTの技術が、その画像をデータとして取り込み、さらにAIをかけ合わせることで、そのデータがどのような内容なのか情報として識別することができます。
こうした技術で何ができるのでしょうか。たとえば、青森県三沢市で総合米卸売業を展開する株式会社 KAWACHO RICEでは、お米をカメラで読み取り、その画像データから銘柄をAIで判し、人が行う検査と同等以上の精度を実現しました。こうした技術では、お米の種類を見分けるための機械学習のシステムが必要で、それらを支える技術として、クラウドが活かされています。
こうした事例を、立花さんは東北で幅広く実現に向けて動いています。
デジタルに委ねることで社会の変化を乗り切る
製造業のような分野は、工場に多くの人を配置して、社会に向けて安定した共有が求められる仕事です。しかし一方で、東北では人口減や高齢化により、今後はますます若い働き手が減り、ベテランの人々が培った技術やノウハウの継承が難しくなっていきます。
こうした課題に対し、熟達が求められるスキルの一部をデジタルに委ねることで、人手不足の解消にも大きく貢献できるでしょう。そうした姿を実現させるためには、自分たちが置かれている環境、社会において、自社が抱え込む課題は何なのかを知り、デジタルでできることとかけ合わせて、その結果起こってほしい未来の姿まで描くことが求められます。
ディスカッションのパートでは、自社の具体的なお悩みから業務上のボトルネックを描き出し、デジタルに委ねたい業務を整理し、その先の未来を考えるワークを行いました。こうした仮説を素早く描くトレーニングをすることで、DXについて理解を深める一歩を踏み出すことができます。
異業種DX勉強会では今後、DigiBizみやぎとの連携で、参加者の声に合わせた勉強会などの場を小さく、多数、作っていきます。
*本イベントは宮城県「令和6年度異業種連携促進支援事業業務」にて実施したものです。
宮城県では、DXに取り組む企業やサポート企業が参加するイベントを開催しており。ICTポータルサイト「オープンイノベーションみやぎ」では、県内に拠点をもつIT企業を検索できます。
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