県内事業者のみなさまを対象に開催する3回シリーズの異業種DX勉強会。業界の垣根を越えた「職種別」の勉強会として、「経営者・DX担当者向け」「間接部門向け」「製造部門向け」の3テーマで、それぞれ対面での勉強会&交流会を開催し、参加者同士のコミュニティ形成につなげる取組です。
第1回は、経営者・DX担当者向けで「DXの基本戦略を描く」と題し、9月18日(水)にenspace(仙台市青葉区)にて開催しました。
社内全体の舵取り役となる経営層やDX担当者にとって必要な考え方を講師から学び、参加者のお互いの悩みを紹介しあうことで、自社のDXのプロセスの見直しや、知見の交換を行いました。
講師には、市川電産/一般社団法人シビックテック・ラボで代表を務める市川博之さんをお迎えました。
変革を目指す経営層であるために
市川さんからは、社内でDXを進めるためのプロジェクト提案書のフォーマットを提供いただきました。フォーマットには「目標・コンセプト」「PJの対象範囲とゴール」「効果算定」「ロードマップ」「リスク仮説と対策」「役割・体制」といった要素が示され、講義ではそれぞれのポイントを解説いただいた上で、DXの基本的な考え方をお話しいただきました。
今回は参加対象者が経営者も含まれるため、トップとして社内の変革を起こすために重要な視点などもお話しいただきました。体制をつくる際の「あるある」として、プロジェクトの牽引者、責任者として複数の人物を並列に置いてしまうことなどの失敗パターンにも触れ、経営層が誤りがちな判断について解説をいただきました。
異業種の対話でお悩みを共有する
異業種DX勉強会では、社内のポジションが似通った異なる業界の人たちが集まる企画となっています。DXを進めたい企業の人たちの苦労のひとつに、何か悩みがあったときに、悩みの内容を共有する仲間がいないという問題があります。
異なる業界でも同じ悩みを抱えていたり、業界や会社ごとに違う業態や組織文化がヒントになったり、異業種で学ぶことのメリットを活かせる場が異業種DX勉強会です。市川さんの講義のあとは、参加者同士でお互いの悩みや課題を共有し合うディスカッションを行いました。
工場スタッフ以外はごく少人数で切り盛りしている製造業の幹部の方や、全社のDX担当という役割を背負いながら、どこから手ををつけるべきか迷いがある責任者の方など、それぞれの立場でDXをどう理解すればいいのか、自社で進めるための問題点はどこにあるのかといった悩みをシェアし合い、市川さんにも都度解説をいただきながら、自分たちの困りごとをよりクリアにしていくことができました。
他社のDX事例をひたすら紹介するというセミナーとは異なり、自分たちが何を変えるべきなのかを明らかにすることを意図して開催した第1回。事例を知る前に、自社の足元を見ることと、DXの考え方を知ることに重きを置いた回となりました。
今後、プロジェクト提案書を書いてみるワークや事例検討の勉強会など、参加者の意欲に合わせた続きの場を作っていく予定です。
*本イベントは宮城県「令和6年度異業種連携促進支援事業業務」にて実施したものです。
宮城県では、DXに取り組む企業やサポート企業が参加するイベントを開催しており、ICTポータルサイト「オープンイノベーションみやぎ」では、県内に拠点をもつIT企業を検索できます。
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