IoTビジネス推進コンソーシアム沖縄が主催し2024年10月25日に開催された「IoTビジネス推進コンソーシアム沖縄 7周年記念セミナー」は、盛況のうちに終了しました。本セミナーでは、最新のサイバーセキュリティについて、さまざまな専門家による貴重な発表が行われました。参加者は、多くの知見を得ることができ、今後のビジネス展開や技術の進展に対する期待が高まりました。
1. 渡辺アラン氏(Pipeline株式会社 CEO)
発表内容: 「世界のサイバーセキュリティ最新情報およびマネージドセキュリティサービスのご案内」
渡辺氏は、ダークウェブ市場の隆盛とそのビジネス化の危険性について警鐘を鳴らしました。特に、サイバー攻撃を受けた場合の専門的な対処が重要であり、日頃の対策・監視から専門家への完全委託を推奨しました。自社で提供するEDR(Endpoint Detection and Response)やDNSセキュリティサービスには、手厚いSOC(Security Operations Center)サービスが含まれており、これを積極的に活用することを強調しました。
2. 澤内真人氏(Splunk Service Japan 合同会社)
発表内容: 「現代のサイバーセキュリティ対策最前線」
澤内氏は、セキュリティリスクの増加とその対策の重要性を強調しました。特に、AIの悪用がセキュリティリスクを増大させ、ダークウェブの隆盛により犯罪者が実際に犯罪を犯さずに情報やプログラムを販売する新たなビジネスが登場したことが、セキュリティ業界に新たな課題を生んでいることを説明しました。セキュリティ侵害の検出率は向上しているものの、その後の対応には依然として多くの課題が残っており、継続的な対策強化が求められることが語られました。
3. 原亮氏(事業創発研究会 DigiBiz みやぎ 代表理事)
発表内容: 「企業文化としてのセキュリティの重要性と競争力向上」
原氏は、サイバーセキュリティに最も必要なのは「セキュリティ文化」を作り上げることだと述べました。セキュリティ対策はコストではなく投資であり、費用対効果を見込んだ取り組みが重要であることを強調しました。特に、利用者のサイバーセキュリティリテラシー向上に向けたロードマップを作り、継続的に教育を行うことが重要であり、「セキュリティファースト」の考え方を浸透させる必要があると語りました。
4. 井桁節哉氏(Direction株式会社)
発表内容: 「電力コストを削減するIoT製品『E mizu Shower』の実績」
井桁氏は、IoTを活用した「E mizu Shower」の導入効果について説明しました。この製品は、効率的に電力コストを削減することができ、企業にとって非常に有益であるとともに、環境負荷の低減にも寄与することが強調されました。
今後の展望
サイバーセキュリティに関する技術の成長は、今後さらに加速すると考えられます。セミナーを通じて得られた知見を基に、企業や地域が連携して進むべき方向性を確認し、サイバーセキュリティを強化するための取り組みがますます重要になってくるでしょう。
7周年を迎えた本コンソーシアムは、今後も沖縄のIoTビジネスの発展を支援し、地域に貢献する取り組みを続けていく所存です。