今年度のワークショップの第1弾、「地域企業とIT事業者のための『DX思考』ワークショップ」が3回シリーズでスタートしました。このシリーズは、各回でテーマに応じて仮想事例を使った具体的なケーススタディで考え、参加者同士の対話でDXの本質を体感できるプログラムとなっており、第1回は去る8月27日に「DXの基礎と全社的な戦略づくりを学ぶ」というテーマで開催しました。

DXの基本概念や地域企業における必要性を理解し、全社を巻き込んだ戦略策定の方法を学び、経営層と現場の意識ギャップを埋めるコミュニケーション戦略も体験し、DX推進の土台を築くいう内容でした。ファシリテーターは、エイチタス株式会社代表取締役の原亮が務めました。
ワークショップでは冒頭に、ファシリテーターからDXの基本的な考え方についてレクチャーを実施。「DX(デジタル・とランズフォーメーション)」は、「D(デジタル)」が手段であり、「X(トランスフォーメーション)」、すなわち「変革」が目的であるとし、単純なデジタル導入の先にある変革をイメージすることが大切であるという話をしました。

ワークショップでは、仮想事例として農業分野の企業を題材に、参加者同士でグループを作り、自分たちがその企業の経営者やリーダーになりきるロールプレイ方式で進み、その企業が置かれれている現状を読み取り、そこから課題を抽出し、どこを改善することでどのような変革が期待できるのかを考えました。
今回のワークのポイントは、現状(AsIs)と変化の先のあるべき姿(ToBe)を描き分け、両者の違いを数値で定量化するという点でした。抽象的に「こうなりたい」という姿を考えることはできても、実際にそこに向かうには、企業の現状を表す様々な数値をどう改善するかまで描く必要があります。

このように会社の状況を俯瞰し、客観的な数字で経営側の目線に寄せながら変革について考えることで、デジタルの使いどころが見えてくる。参加者のみなさんからは、DXを学ぶことができたという感想の声や、もっと時間をかけてやってみたいという声もありました。
*本イベントは宮城県「令和7年度異業種連携促進支援事業業務」にて実施したものです。