2025年10月21日

開催レポート:地域企業とIT事業者のための「DX思考」ワークショップ 第2回「業務プロセスのデジタル化と改善を学ぶ」 (経営者・DX担当者向け)

「地域企業とIT事業者のための『DX思考』ワークショップ」は、先日9月25日に第2回のワークショップを開催しました。この回のテーマは「業務プロセスのデジタル化と改善を学ぶ」として、現場の業務課題を分析し、RPAやIoTなどの最新デジタル技術を活用した効率化や品質向上の方法を学ぶ場とし、ファシリテーターは前回に続いてエイチタス株式会社代表取締役の原亮が務めました。

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個々の業務を変革するのに、ITにどのような役割が期待されるのか。世の中には様々なITツールがあふれています。すべてのツールや技術を自社で導入する選択肢として広げきるのは無理があります。具体的なツールの選択や導入支援はITの専門家に相談するとして、それ以前にITにどんなことができるのか、「デジタルの役割をシンプルに理解する」必要があります。

ITは何をするために存在するのか。それは、「効率化」「自動化」「高速化」であったり、あるいは「予測」「分析」であったり、そうした簡単な語句でITの役割を抑えておけると、「○○という業務を『自動化』させたい」、「○○の結果を『分析』したい」など、対象の業務をどう変えていきたいのか、ざっくりとした要望を描くことができます。

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デジタル得意なのは数字です。ITを導入することで「自動化」や「分析」した結果、その業務のどの数値がどう変わるのか。そこまで見据えられると、期待する効果に見合った手段を選びやすくなります。さらに近年は、生成AIで日常の言語での思考や分析もデジタルに頼れるようになってきたので「解答する」「判断する」なども、デジタルの役割に含まれていくことになります。

ITはわからない、ツールは難しいという方は、まずはそうしたシンプルな単語で自社の業務の改善点を確認してみてはいかがでしょうか。

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ワークショップでは冒頭に、ファシリテーターからDXの基本的な考え方についてレクチャーを実施。「DX(デジタル・とランズフォーメーション)」は、「D(デジタル)」が手段であり、「X(トランスフォーメーション)」、すなわち「変革」が目的であるとし、単純なデジタル導入の先にある変革をイメージすることが大切であるという話をしました。

今回も、参加者のみなさん向けのワークでは、仮想の企業の事例を用意し、その企業の社員になりきってデジタルでの業務改善についてロールプレイで検討を行いました。今回の仮想事例は、コールドチェーンを担う物流会社です。顧客から預かる冷凍食品をロスなく、正確に流通されるために、課題となっている数値を改善するのにデジタルの力をどう活用するかを考えました。IoTを導入して保冷庫の開閉コントロールしたり、搬出に来るトラックの位置情報を把握してタイミングよく荷物を渡したり、ITでボトルネックを解消するアイデアを出し合いました。

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さらに、その企業の各部門にいるデジタル活用に否定的な社員をどう説得し、組織内でスムーズに導入を図るかなど、社内コミュニケーションや導入プロセスなどもグループ毎に考えました。

参加者からは「新たなことを進めていくと必ず批判的な声があるので、どう対応していけばよいかを考えられて、とても参考になった」という声があったほか、「目標値を数値化することの重要性が勉強になった」「他社との意見交換ができ有意義だった」などの感想もお寄せいただきました。

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ワークショップの参加者が入れるオンラインコミュニティでは、今回のワークや参加者のお悩みを受けて、社内の合意形成に必要な考え方やアクションなどについて、有識者を交えたトーク動画でフォローアップの解説を行う予定です。

*本イベントは宮城県「令和7年度異業種連携促進支援事業業務」にて実施したものです。